書き殴りたいことやまやまです

自意識過剰な子無しOLのぼやきです

お見送りが苦手

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「彼女とお別れバイバイ彼女とお別れバイバイ」[モデル:たけべともこ]のフリー写真素材を拡大

子どものころ、長期休暇に入ると朝はどんなに遅くても父が出勤する時間までには起きなければなりませんでした。「お見送り」のためです。我々を養ってくれる父への最低限の礼儀として、玄関で「行ってらっしゃい」を言うのが我が家のルールだったのです。ちなみに母発案であり、父から望まれたものではありません。彼は喜んでいたのか疑わしい限りです。

というのも、私は「お見送り」されるのが非常に苦手です。父と同じシチュエーションに立たされたら、子を追い払うことでしょう。少なくとも、玄関には来てほしくない。焦るからです。いつまでも立たせていたら悪いよなあと思うし、そういうときに限って「あっ、この靴、意外と今日の服装と相性が悪かった、変えよう」みたいな事態になる。でもあんまり試行錯誤して待たせたら悪いので、不満足な靴で出かけることになる。その日の朝は不快極まりありません。自意識過女史の習性として、「ショーウィンドウ等に映る自分の姿をしかと確認してしまう」というのがあるんです。靴にばかり目がいき、「チキショウ、あっちの靴にしていれば」となる。だれもお前の靴など見ていないよと。

会食等の帰り道も、難しいですね。途中まで一緒にタクシーで帰りましょうとなり、先にどちらかが降りるひとときの面倒くささといったらない。先に降りりゃ、タクシーが出発するまでペコペコしたり手を振ったりして、乗車側もまた同様。どっちが辛いかといったら、乗っているほうだろうなあ。「うわー、悪いなあ、寒いから降りたらすぐ行ってくださいって言ったのになんで残ってんだよ、うわー、悪いなあ」という感情が付随するからです。

駅のホームも同様です。電車が発車するまでペコペコしあうのが恥ずかしい。あ、でも、電車だけは、年齢を重ねたことで、どちらかが乗車したら最後その場を離れる勇気を持てるようになりました。

美容院のお見送りはぎりぎり大丈夫ですが、アパレルショップ等でのお見送りは心底やめてほしいと思っています。超一流ブランドならいいんです(行ったことないけど)、カットソー1枚3000円レベルのカジュアルなお店なら、お互いのためにもレジでサヨナラいたしましょうよと申し上げたい。贔屓にしているスタッフさんなどであればわかりますが、多くは、そのほんの数メートルを共にしたところで何の価値もない時間に終わります。店員さんって忙しいのです。私なんかに付き合わなくていいから、別の仕事していいよと言いたいのです。あ、そう言えばいいのか。以心伝心に頼るのは日本人のよくないところのひとつかもしれません。