書き殴りたいことやまやまです

自意識過剰な子無しOLのぼやきです

自意識過剰を測るリトマス試験紙

この記事をシェアする

「全然話にならないとダメ出しする女性全然話にならないとダメ出しする女性」[モデル:土本寛子]のフリー写真素材を拡大

飲み会だった。その日はとある大企業のなかなか偉い方と宴席でお供させていただくことに。初対面であろうと相手が偉い人であろうと、「魂がオヤジ」な方には高確率で気に入られるという自負があるので、むしろ楽しみだったくらいだ。

「全然ダメだね」

食べることが好きで、ブログを書いていて、それを機にグルメニュースサイトに寄稿させていただく機会もあるのだ、なんて話をしたら、その偉いさんは目の色をキラリと変えて「食堂は好きか」と尋ねてきた。壁いっぱいに短冊メニューが張られた、昼から飲める食堂。好きに決まっている。「大好きです」と返すと、これまでに訪れた名店の話をしてくれた。やった、ネタ候補もらったぜ、くらいの気持ちで、フンフン、ヘエヘエ、ホオホオと相槌を打ちながら聞いてたのだが、

「ここ、行ったことあるか?」
「名前は存じているのですが、まだ伺えておらず」
「ダメだなあ、君!」

「ここはどう?」
「こちらは知りませんでした!ぜひ伺ってみたいです」
「知らないの!全然ダメだね、君!」

尋ねられる⇒知らないと言う⇒まだまだだね の流れがループされるようになってきた。テニスの王子様ならぬ食堂のおじさまの球がビシビシと……すべての球が我が元に集まる、これぞやままゾーン……。

笑って流しはしたが、実は「君ってダメだね」のひと言にけっこう心がえぐられていた。酒の場での”ノリ”でしかないのに、都度、苛立った。

おまえオッパイ無ぇなー、本当に女か?みたいなセクハラ発言なんて屁でもないのだ。「そうなの、ないの、だからマラソンのときに肩がこらなくていいのよ!」くらいには返事ができる。でも「ダメだね」はどうにもショックなようであった。「いやはや、勉強不足で」林家三平ばりのどうもスイマセンポーズをとってみたりするものの、頬肉がひきつる。クソッ、侮りやがって!

そういえば昔もこんなことあったっけ

過去の職場で「部下クラッシャー」で有名な上司のもとで働いたことがあった。過ぎたことのほとんどは覚えていないのだが、いまでも鮮やかに思い出せるのは、私が議事録作成担当だったときに言い放たれた言葉である。

「やままさんって本当に聞きとる力がないよね」

メモに一部、抜けがあったのだった。こちらの落ち度ではあるが致命的なポイントではなかったと記憶している。身体のなかが沸騰するような怒りの感情が込み上げたのをよく覚えている。その日のうちにICレコーダーを買い求め、次からの議事録当番時にはこれ見よがしにレコーダーをデスクに置いたっけなあ。

「ダメだね」に過剰に反応する自意識過女史

「ダメだね」という評価は、自意識過剰度のリトマス試験紙なのかもしれない。

私のように「なんだと貴様ァ!」と怒りが沸けば、プライド高い系・自意識過剰。「どうせ私なんて……」と惨めになるなら、卑屈系・自意識過剰。

「他人から自分がどう見えているか」に過敏になっているから、第三者からのコメントに過度に反応してしまう。その人がどう思おうが、自分は自分だというのに。「そうだよね、私ってダメだよね、ごめん、教えて~」で他人の脳みそを借りればよいのに、それができない。不思議だなあ。